- 2025.01.27
JA横浜
依頼したきっかけ
小原部長:
当時は農協改革をして農協自体が変わらなければならないという意識が世間的にも大きくなっていたタイミングでした。
ところが内部でいろいろやっても全然変わらない。そこで外部の専門家が必要だと思い、そこから調べて依頼することにしました。
内部の状態はよくある縦型構造
小原部長:
JAも日本の企業と同じで縦型構造になっており、本部は売上目標を達成できたかできなかったかのみで評価します。サポート体制も場当たり的なものが多く、店舗との関係も悪い状態でした。
また各店舗の店長はグループ全体の売上には興味がなく、自店の売上のことしか考えていない。意見を言ったら自分がやらなければならないため(いわば「言った者負けの文化」)、店長自身が意見を言わない状態になっていました。
瀧田(コンサルタント):
他店舗との横の連携もなければ売り方もバラバラ、マニュアルもないという状態で、当初はまったくまとりがなかったと思います。
まず手始めに行ったことは目標設定
瀧田
売上目標を達成しなければ評価されないので、チームビルディング的な研修を行いながらも、どうすれば売上目標を達成できるかを考える必要がありました。売上目標の数字は本部から下りてきたものだったので、まず手始めにそれを店長自身がやりたい目標に設定します。
月に2回店長に集まってもらい、情報交換をする場にして横の連携をちょっとずつ強化。数値のいい店長をヒアリングしてその情報を共有をしたり、特定の店舗でイベントを実施して、そこに店長同士が集まってイベントを手伝ったりするなど、いろいろなことを実施していきました。
店長さんたちの話を聞いている中で「仕入れがうまくいっていない」ということがわかりました。物を売るためには良いものを仕入れる必要がありますが、そこがうまくいっていなかった。だから売上があがらなかったのです。
仕入れは本部にバックアップしてもらう形にして現場を整えていきましたが、1年目の売上は未達で終了しました。チームはあきらかに変わってきていましたが、細かいところのサポートや連携がうまくいかなかったという結果でした。
「コンサルが入っても何も変わらないじゃないか」
瀧田:
なかなか売上目標が達成できず、そのような状況の中、ベテラン店長の中から「コンサルが入っても何も変わらないじゃないか」という声があがってきました。
その声があがること自体、組織が変わってきている証拠でもあるので「最初は誰も何も言わなかったけど、今ではこんな声もあがるようになってきました。いい組織になってきている証拠です」と私は伝えたんです。
「我々はなにもできません。チームが話し合う場を作ることはできるけど、実際に行動するのはみなさんです。我々はコストだから、早く自分たちでできるようになって、私たちを追い出してください」。そう伝えました。
この辺からチームが動き出した感じです。
店長たちの変化
瀧田:
はじめは発言もなく質問しても「シーン」となっていましたが、会議を重ねることで各店長からアイデアベースの発言もチラホラ出るようになっていき、会議自体も意味があるものに変化していきました。
売上目標を達成するためにはどうすればいいのかを自分たちで考えるようにもなり、自店舗の目標さえ達成できればいいという意識から、グループ全体での目標達成にも目を向けられるようになりました。この頃になると、日を追うごとにいいチームになっていっていたと思います。
その甲斐あってコンサルに入った2年目は、売上目標を達成することができました。
2024年度(コンサルティング3年目)の目標
3年目も契約更新になったので、2024年度は以下の施策を行います。
1. 売上から利益管理
2. パートさんの有効活用
3. 組合員さんとの関係
4. 購買部を本格的に活動させる
3年目は店長会議には参加せず、今いる店長たちだけに任せて別のサポートを実施していきます。年々サポート内容が変化するので、組織が成長していることを実感しています。